今日は先週の弦楽器フェアに出展していたチェロのテールピースを交換しました。
フェア期間中は、試奏していただいたお客様から良い音がすると評価していただき、自分なりに手ごたえを感じていたのですが、最終日に弦楽器製作者協会の園田会長に直接、駒の状態などを調整していただく機会を得ました。
結果、音の出方がきれいになったというか、ストレスなく音が放出されるようになり、まだまだ自分の未熟さと、この楽器の可能性を感じた次第です。
そこで、色々調整個所はあるのですが、今回はまず、テールピースを交換することにしました。
上の写真が、フェアで付けていたテールピースです。
プラスチック製で、テールピースとエンドピンをつなぐテールコードが0.8mmの針金になっています。どの楽器にも合いやすく、使い勝手も悪くないので個人的には好きなのですが、フェアに出展されていた他のチェロは、すべて木製のテールピースが付いていました。
このテールピースを黒檀製のテールピースに交換します。
テールコードは、園田会長の著作「最上の音を引き出す弦楽器マイスターのメンテナンス」(誠文堂新光社)を参考にさせていただき、2mm径のステンレスワイヤーを使用します。
結果から言えば、ずいぶんとパワフルな音になりました。全体的なパワーが一段階上がった感じがします。音量と残響、楽器自体の振動が増した感じです。
反対に、音の柔らかさが減り、直接的な音色になったような気がします。
A線が特に鋭く感じます。
本質的に、楽器にパワーがあるのは良い状態だと思うので、これをベースに音色の調整をしていけばバランスの良い音になるのではないかと思います。
弦楽器フェアでは、ほかの製作者の方々と色々意見を交換することができました。
そのあたりの意見も参考に、このチェロの調整を詰めていきたいと思います。